Vol.09 師弟の絆―カタルパの木
熊本市中心部に程近い、新屋敷。
自然に溢れ、閑静な雰囲気の街です。
その新屋敷に、一本の木があります。
日子店舗の数メートル先、
大井出川の土手から力強く生えた木。
5月になると美しく可憐な白い花が咲き、辺りは甘い香りで包まれます。
あるとき、お客様から教えていただいた
その木の名は、カタルパ。
そこには、あるひとつの物語がありました。
明治を代表するジャーナリスト 徳富蘇峰、そしてその弟、文豪 徳富蘆花。
二人は、熊本・水俣の豪家に生まれました。
父親は、横井小楠の一番弟子といわれた、一敬です。
明治3年、父 一敬が熊本藩庁の役人となったとき、一家は
生まれ故郷 水俣から 大江に移り住みました。
一家が暮らしたその家は、今も当時のままの姿で残っています。
(現在の徳富記念園)
ここはまた、蘇峰が19歳で大江義塾を開いた場所でもあります。
蘇峰は、同志社で学び、生涯の師となる新島襄に出会います。
しかし、同志社卒業のひと月前、ある事件をきっかけに中退。
ジャーナリストを目指していた蘇峰は、上京し 新聞社を回りますが、
相手にされませんでした。
その後 熊本に帰り、全体主義的な考えが優勢であった当時にあって、
あえて「自由主義・民主政治」を教育の中心とした大江義塾を開き、
教育に携わりました。
そこで、若い蘇峰は生徒とともに学び、奮闘しました。
そんなある日、蘇峰のもとに、恩師 新島襄から植物の種が送られてきました。
それは、北アメリカ原産の カタルパの種でした。
ちょうどその頃、官制の教育機関の学生だけの徴兵を猶予するという
徴兵制の改正が行われ、蘇峰の私塾でも、官制に移る学生が続出していました。
長くアメリカで学び、植物好きであった新島。
カタルパの種は、苦しい状況にある蘇峰への、新島らしい
励ましの贈り物だったのかもしれません。
その後、カタルパは見事に成長しました。
長い年月が経った今でも、その2世、3世の木が、
蘇峰の大江義塾の傍で、毎年5月、純白の美しい花を咲かせています。
新屋敷、大井出川のそばにあるカタルパの木。
どうしてカタルパの木が この場所に生えているのか、
いろいろな方に尋ねてみましたが、真相はわかりません。
新屋敷の隣・大江のカタルパから、
鳥が種を運んだのか、誰かがそこに埋めたのか…。
いずれにせよ、新島が贈ったカタルパの親類であることに
間違いないのではないでしょうか。
カタルパの木。
それは、新島の 蘇峰への想いを、
今に生きる私たちに伝え続けています。
熊本市内には、大江の徳富記念園、新屋敷のほかにも、
何ヶ所か、カタルパが生えているようです。
熊本へお越しの際は、ぜひ、カタルパの木を探してみてください。
熊本市中心部に程近い、新屋敷。
自然に溢れ、閑静な雰囲気の街です。
その新屋敷に、一本の木があります。
日子店舗の数メートル先、
大井出川の土手から力強く生えた木。
5月になると美しく可憐な白い花が咲き、辺りは甘い香りで包まれます。
あるとき、お客様から教えていただいた
その木の名は、カタルパ。
そこには、あるひとつの物語がありました。
明治を代表するジャーナリスト 徳富蘇峰、そしてその弟、文豪 徳富蘆花。
二人は、熊本・水俣の豪家に生まれました。
父親は、横井小楠の一番弟子といわれた、一敬です。
明治3年、父 一敬が熊本藩庁の役人となったとき、一家は
生まれ故郷 水俣から 大江に移り住みました。
一家が暮らしたその家は、今も当時のままの姿で残っています。
(現在の徳富記念園)
ここはまた、蘇峰が19歳で大江義塾を開いた場所でもあります。
蘇峰は、同志社で学び、生涯の師となる新島襄に出会います。
しかし、同志社卒業のひと月前、ある事件をきっかけに中退。
ジャーナリストを目指していた蘇峰は、上京し 新聞社を回りますが、
相手にされませんでした。
その後 熊本に帰り、全体主義的な考えが優勢であった当時にあって、
あえて「自由主義・民主政治」を教育の中心とした大江義塾を開き、
教育に携わりました。
そこで、若い蘇峰は生徒とともに学び、奮闘しました。
そんなある日、蘇峰のもとに、恩師 新島襄から植物の種が送られてきました。
それは、北アメリカ原産の カタルパの種でした。
ちょうどその頃、官制の教育機関の学生だけの徴兵を猶予するという
徴兵制の改正が行われ、蘇峰の私塾でも、官制に移る学生が続出していました。
長くアメリカで学び、植物好きであった新島。
カタルパの種は、苦しい状況にある蘇峰への、新島らしい
励ましの贈り物だったのかもしれません。
その後、カタルパは見事に成長しました。
長い年月が経った今でも、その2世、3世の木が、
蘇峰の大江義塾の傍で、毎年5月、純白の美しい花を咲かせています。
新屋敷、大井出川のそばにあるカタルパの木。
どうしてカタルパの木が この場所に生えているのか、
いろいろな方に尋ねてみましたが、真相はわかりません。
新屋敷の隣・大江のカタルパから、
鳥が種を運んだのか、誰かがそこに埋めたのか…。
いずれにせよ、新島が贈ったカタルパの親類であることに
間違いないのではないでしょうか。
カタルパの木。
それは、新島の 蘇峰への想いを、
今に生きる私たちに伝え続けています。
熊本市内には、大江の徳富記念園、新屋敷のほかにも、
何ヶ所か、カタルパが生えているようです。
熊本へお越しの際は、ぜひ、カタルパの木を探してみてください。
文章の執筆にあたり、徳富記念園 様にご協力いただきました。
徳富記念園 TEL 096-362-0919
画像の無断使用、転載等固くお断り申し上げます。
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